11月12日(土)、本校特進コース1・2年生が参加する、神田外語学院との協働学習の発表会が、上越妙高駅前スタジオ「JM-DAWN」にて行われました。
「上越地域創生プログラム提案発表会」と題して行われた本発表会では、上越市役所企画政策課から2名のご担当者にも参加していただきました。
6月から続いたこの活動もクライマックスということで、生徒は2日前の予行練習からとても緊張している様子でしたが、当日は堂々とした発表をしてくれました。発表の概要を以下に掲載します。
A班の発表
テーマ「上越市が踏み出す最初の一歩 ~人それぞれの代替不可能なもの~」
上越・東京フィールドワークを通して、電車の電光掲示板などのちょっとした所から上越の魅力を知ってもらうことが必要なのではないかと気付きました。そして、上越市に住む人が大切にしている、人それぞれの代替不可能なものについてインタビューをした結果、街の風景や上越という共同体へ想いを持っている人が多いことに注目し、「高田桜城festival」と名付けた高田の街並みを存分にアピールした新しい観桜会の形を提案しました。
B班の発表
テーマ「上越市の現状を打破するために」
上越・東京フィールドワークを通して、東京が「条件社会」であることに気づきました。渋谷109に男性が入りずらい、ICカードを持っていないお年寄りは、改札を通りづらい・・・など、ターゲットを絞ったお店が街ごとにカテゴライズされた東京では、その街に足を踏み入れるのに、条件をクリアしているかどうかその都度参照することを強いられると考察し、その街で条件をクリアできない人はどうなるのかに注目しました。そして「より多くの人が暮らしやすい、条件の附されない心の壁の低い上越を」をテーマに、地域の小さな祭りや活動を大切にすることを提案しました。
どの発表も数値目標に向かっていくビジネスライクな既存の提案ではなく、その土地に生きる高校生がもっている肌感覚を大切にした提案でした。今年度、関根学園から参加した生徒20名の想いや気付きの集合体は、上越市への提言という形になりましたが、果たして次年度はどんな想いや気付きが形になるのか楽しみです!
そして何よりこの活動を通して、神田外語学院の学生のみなさん、池田先生・見村先生が、関根学園の生徒ひとりひとりに対して与えてくれた時間や眼差し、この繋がりそれ自体が、子どもたちにとって、かけがえのない代替不可能なものとなりました。
ある生徒は、この活動でリーダーとして責任感が生まれ、周囲を巻き込むことの難しさや、問いの立て方に苦労しましたが、発表を終えた時の表情がひと回りオトナになっていました。
ある生徒は、この活動で神田外語学院の魅力的な先輩に出会うことができ、その人と活動で一緒に時間を重ねるごとに、これまでの自分にはなかった新しい私に気付きました。8月のフィールドワークでは積極的に街の人に、「インタビューをお願いします」と何度も頭を下げ、自己表現がうまくいかない時でも、街の人の声に傾聴することを大切にして、この活動の土台を作ってくれました。
ある生徒は、この活動で多くの人から励まされ、肯定され、無条件で認められることを経験しました。そして、フィールドワークで五感を解放する取り組みの中で、自分に変化が起こり、最後の発表ではカラダとココロがうまく連関し、自信を持って前を向いて発表できるようになっていました。
ある生徒は、この活動で、パラメータが多すぎて正解があるかすらわからない複雑な課題に直面する中で、「授業のノートとってさえいれば大丈夫」、「○○先生についてさえいけば大丈夫」、と思考を節約し複雑なものを単純化してしまう自分に気づき、いまを複雑なまま受け入れてしっかり自分に向き合うことができるようになりました。
子どもたちにとって、いつもこの探究活動がきっかけでした。
本発表会をもって今年度の探究活動はひとまず終了となります。この活動にご理解ご協力頂きました専門学校神田外語学院の皆様、市役所の方々、そして保護者の皆様にこの場をお借りして心から感謝します。ありがとうございました。
投稿日|2022.11.21 お知らせ